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飯塚毅先生との出会い〜物故会員の「私を語る」より〜-1

お客さんも税理士を選ぶ権利がある

四国会 井手 良

 

忘れもしません。昭和47年のことです。飯塚毅会長が会員導入のための全国行脚をされていたのです。松山で講演された際には、あいにく私は所用で沖縄に行っていたので、代わりに家内に聞きに行ってもらいました。会長の講演の素晴らしさと、TKCの精神に感激した家内は「これはぜひ、入会しなければいけない」と言うわけです。引き続き、高松でも講演がありましたので、これには自分で出掛け、その場で入会の手続きを済ませました。「われわれ税理士は、脱税が仕事ではないんだ! 関与先の機嫌をとって、税務署との間で幇間のような役割をするものではない。お客さんも税理士を選ぶ権利がある」という気迫のこもったお話には本当に、ひっくり返るほどびっくりしてしまいました。

当時、関与先が増えたといっても、税務署から電話があると、ビクッとするような状態でしたから……、「この人についていこう」と。松山では2番目の会員でした。コンピュータ化ということも大きなメリットでしたが、何よりも飯塚毅会長に税理士の最も基本的な姿勢を骨身に染みて教えられたことです。会長の禅を中心とした人生観、哲学……、私には参禅の経験はありませんが、会長は立派な人だなあ、人種が違うのではないかと思ったりもします。

個人的に親しくご指導を受けたことはありませんが、会長にお会いしなかったら、今日の井手会計事務所はなかったと思っています。だから、井手会計事務所の経営理念は「自利利他」です。お陰様で、今では30数人の職員さんが働いてくれています。(『TKC会報』平成元年12月号 肩書きは掲載当時)

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