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サバイバルの秘訣-8

決断の質が企業の運命を決める

樫尾それは、私どもがボトルネックにぶつかり、しかもこれから事業を伸ばしてゆかなければという時期でしたので、さっきも申しました通り、止むを得ずでした。

飯塚やはり、経営トップにとって一番大事なことは決断ですね。決断の質が企業の運命を決めますからね。

樫尾上場しますと、企業イメージが違ってきますね。非常に効果的なPRになり、いい人がとれます。いままで採用できなかった人が応募してくれます。これが一番大きいんじゃないですか。

飯塚上場会社になると、新聞が絶えず記事にしてくれる。このPR効果も大きいですよ。

樫尾先生のところは数も大事でしょうが、TKCの会員は質が違うでしょう。規模はドイツのDATEVが世界一とのことですが、TKCは指導理念といいますか役割が違うのではありませんか。

飯塚どういうわけか、DATEVもフランスのCCMC、アセアン諸国の会計人組織がTKCに指導を求めて来ましてね。

樫尾フィロソフィーがきちんと現れているからでしょう。

先生の対談集の標題「自利とは利他をいう」と、私たちの考えは共通するところがあるように思います。

飯塚ずばりその通りです。似ていますね。

樫尾ギブアンドテイクともとれるようですが、少し違うようですね。

飯塚全力をあげて人様に協力し、利益を実現してさしあげる。それがすなわち自分の利益である、ということです。

樫尾なるほど、違いますね。高邁ですね。人様をよくしてさしあげるには、まず自分が何をやらなければならないかを考えなければならない。深遠なお考えです。

飯塚釈迦の思想です。ヨーロッパ人は、それをなかなか理解できないようですね。

樫尾正直いって、企業はやはり利益追求です。しかし、その手段はいい商品を世の中に出すことだ。自分本位ではいけない。そう思ってやってきたのですが、先生はさらに1歩先を進んでいらっしゃる。

飯塚いやいや、そんなことはありません。

樫尾さんの貴重な経営体験こそ高邁なもので、敬服しながらお話を拝聴しました。有難うございました。

(編集主幹・木場康治)
(VANGUARD 1983年11月号より転載)

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