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歴史の大転換に立ち会って-5

監査によって政治資金にけじめを

小渕日本経済は失業率が世界一低く、有効求人倍率は最高、物価は安定しています。安全ということに至っては断トツです。これだけの政治をやっているのも事実です。

それに竹下内閣の支持率が下がったといっても、じゃあ代わりはこの人だとはどの新聞にも書いてないでしょう。

飯塚いつもは次の人が控えているものだが、今回は違いますね。

小渕この事態は実は大変に不幸なことです。民主政治では、われこそはという人がいるからこそ、国民は選択することが出来、緊張感が生まれる。また新しい政策が出てくるという可能性がある。

そこで、木場主幹が提起された問題になりますが、政治改革はそこまで踏み込んだものでありたいですね。ということは、選挙制度を抜本的に変えて、こちらに問題があればあちらが政権を担当すると……。

飯塚政権交替を制度によって担保するということですね。それには小選挙区制しかない。

小渕政治資金はもちろんですが、選挙制度も含めて考えねばなりません。

政治改革をつき進めていくと、本当は、その最たるものは、今の民主主義か、それともこれをこわして全体主義、共産主義か、というところまでいく。

また、一刀両断にもっとスパッと変えろという議論もあります。これは、さっき迫水書記官長の話が出ましたが、二・二六事件のようなクーデターにつながってしまう面もある。その結果がどうなったかは歴史の示すところですね。

ですから、政治改革は地道にやるほかない。

本誌竹下内閣は自身がけじめを示せ、という声が高いですが……。

小渕内閣は国の屋台を背負っています。この際は総辞職とか解散・総選挙については、軽々しく言うべきことではありません。総理が表明しているように、いますぐやらねばならぬことは政治改革です。それをやった上で、ご自身どうけじめをつけるべきかをお考えになるでしょう。

飯塚政治改革については、政治資金の問題が1つの焦点になると思います。

私は政治には金がかかるという前提に立っています。ただし、それには入った金とその使い道をすっきりさせることが条件です。

政治資金が邸宅や土地に化けるなどはもっての外です。正当な政治活動に使わなければならない。その上で、金の出し入れの記録をちゃんとして監査人――公認会計士または監査法人または経験5年以上の税理士――に監査させることを義務づける。

現行の政治資金規正法の第14条をその線で改正するわけです。理想をいえば、西ドイツのように政治資金はすべて国家が負担する制度がいいのですが。

小渕先生のそのご持論は承っています。さっき申した政治改革の一環として、わが党では後藤田先生を座長に検討が進んでいますが、その中で論議されることになるのではないかと思います。

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