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巡回監査

飯塚毅会計事務所と巡回監査

巡回監査-1

巡回監査への着眼と実行

飯塚毅税理士が、巡回監査の必要性に気づいてその実行に踏み切ったのは、開業4年目にあたる昭和24年5月だった。 関与先は小法人が2社、個人事業が28件程度で、日夜、関与先と税務署と事務所の間を飛び回っていた時代だった。

「当時私は、米国の会計学書をひもとき、フィールド・オーディット即ち、往査の断行と、 監査に当たってのチェック・リストの開発とが決め手になるな、と感じていました。と同時に、同業者共通の弱点を衝くことが、事務所発展の最大の秘訣だと確信し始めていた頃でした」

飯塚毅税理士は「フィールド・オーディット」を「巡回監査」と翻訳した。 そして、チェック項目を拾い出して「巡回監査報告書」を作成した。これを実行していく中で、目に見えて効果が表れてきた。関与先にとっては、会計専門家に毎月経理指導が受けられ、しかも月次決算の結果を知ることができる。会計事務所にとっては、より正確な決算申告書の作成が可能になった。飯塚毅会計事務所の評判は次第に高まり、関与先が関与先を紹介するという現象が生まれた。

「私の狙いは、ズバリ当たりました。それからは、年間50軒ないし80軒のスピードで関与先が増え、 みるみるうちに、関与先数は600社を超えました。その間、私は徐々に徐々に、職員の能力アップに努めました。そして、いまの第6段階の監査チェック・リストを完成したのが昭和34年の夏でした。無理なく職員の能力を伸ばすためには、時間が必要でした」

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