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正規の簿記の諸原則
飯塚パラダイム

研究業績〜飯塚パラダイム〜

飯塚パラダイム

日本会計研究学会太田賞受賞(昭和59年5月23日)

昭和59年5月、飯塚毅博士の『正規の簿記の諸原則』が日本会計研究学会がその年の最優秀論文に与えられる太田賞を受賞。その祝賀会において、黒澤清博士は研究の意義を簡潔に語った。

飯塚パラダイムの展開(抄)
太田賞受賞のお祝いを述べる黒澤清博士

TKC全国会最高顧問・経営学博士 黒澤 清

正規の簿記の諸原則については、沢山の研究業績がドイツでは発表されておりましたが、日本では第2次世界大戦の終わる前後の頃、東京帝大の教授で後に最高裁の長官になられた方が「貸借対照表法の論理」を書いた。その考え方というのは非常に不備でありました。これをはっきりと指摘なさったのは飯塚さんなんです。日本の学者は殆ど気づかなかったんです。ドイツでは商法総則に規定があるばかりではなしに、ドイツ租税法第5条にこれが規定されており、非常に深い理論的かつ実践的な意味があるわけなんです。今みなさんがご存じのとおり大小会社区分立法が制定されようとしています。税理士は公認会計士とともに小規模会社の外部監査に当たる。その外部監査とは何ぞやという概念規定が全然ないんです。『正規の簿記の諸原則』という飯塚文献を読めば分かるんです。税法も改めなければいけない。つまり税理士が監査、少なくとも公認会計士が行う証取法監査とは違う別個の領域に乗り出さなければならない。税理士が十分な職責を果たしながら、いかにして監査をなしうるかということを研究しなければならない。その鍵は、『正規の簿記の諸原則』にある、というのが私の見解であり、職業会計人の未来の世界に対する大きな貢献になるのではないか。将来の展望を含めて考えると、飯塚パラダイムの展開ということになりかねない。飯塚さんのこの著書が現れ、110年前の福澤パラダイムが受け継がれた、という意味あいにおいて私は大いに慶賀いたします。(『TKC会報』昭和59年8月号)

「日独法制における『正規の簿記の諸原則』研究」で法学博士号を取得(昭和63年3月28日)

法学博士号を授与される飯塚毅博士
(写真出典:飯塚毅先生追悼集『自利トハ利他ヲイフ』6頁)

太田賞受賞の4年後の昭和63年、中央大学大学院法学研究科にかねて提出していた「正規の簿記の諸原則」の論文審査、口述試験を経て、飯塚毅博士に対して法学博士号が授与されることとなり、3月28日、中央大学法学部1号館において、授与式が行われた。同日の大学院卒業式において八木國之院長は、「卒業した途端に学習することを忘れてしまう人が多い。しかし、卒業後も学習を続け、自己研鑽を重ねることこそ真に重要なのである」と語り、その好例として飯塚毅博士を紹介した。

<以上>