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Dr. セビガーと
(写真出典:飯塚毅先生追悼集『自利トハ利他ヲイフ』382頁)

『不撓不屈』(新潮社)には、1984年(昭和59年)11月26日に行われた、DATEV新館竣工式典の模様が描かれている。

「式典のゲストは、西ドイツ政府閣僚、同大蔵省幹部、財界代表、ドイツ税法学会幹部、オーストリア、フランスなどの会計人代表ら錚々たる顔ぶれだが、飯塚は祝賀スピーチのトップバッターに指名された。

飯塚は、ドイツ語でニーチェの『人間的、あまりに人間的』(Menschliches,Allzumenschliches.1878)の中で彼が論じている人間の偉大さの定義の一つ「偉大とは人々に方向を与えることだ」という言葉を引用して、次のように祝辞を述べた。

『セビガー理事長はドイツ会計人に方向を与えてきました。イギリスの哲学者バートランド・ラッセルがその『社会改造の原理』(Principles of Social Reconstruction)と『権威と個人』(Authority and The Individual)の両著作の中で反復して述べている人間の生きぎまの二原型、つまり“所有への衝動”に従って生きるか、“創造への衝動”に生きるか、のなかで “創造への衝動”に従って生きてきた点で、彼は人類至福の生きざまを展開してきたのです。ヘーゲルの『精神現象論』(Phaenomenologie des Geistes)、フェリックス・マイナー社1952版413頁によれば、洞察力はまたそれ自体最高の英知であります。セビガー理事長は純粋洞察力の持ち主であり、さればこそ彼は、世界最大の計算センターを築き上げ得たのです』

万雷の拍手は、降壇した飯塚がセビガーと固い握手を交わしている間も鳴りやまなかった」(『不撓不屈』プロローグ 高杉良著・新潮文庫)

セビガー博士と飯塚毅博士の信頼関係は、やがてTKCとDATEVの親密な関係へと発展していった。

TKCとDATEV社は業務提携契約に基づいて、「経営政策上直面する諸問題および戦略的な意思決定等に関する専門的な情報と経験の定期的な交換」、「開発したソフトウェアの確認と効率の改善余地の発見を目的とした技術的な情報交換」等を行ってきた。また、 相互訪問による両国会計人の交流も継続的に行われてきた。