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プロフィール

飯塚毅博士のプロフィール-4

税理士の「独立性」の法文化に寄与

昭和55年の税理士法改正に際して、飯塚毅博士は、税理士法第1条を使命条項とし、税理士の立場を「中正な」から、その独立性を示す表現に改正することを提言。最終的に「独立した公正な立場において」の文言が採用された。この改正は、税理士を誇り高い独立した職業専門家へと転換させる扉を開いた出来事といえよう。

その後、TKC全国会会長として激務のかたわら、昭和58年から平成6年までの12年間に、のべ11回にわたって、国会に参考人あるいは公述人として招請され、わが国の法制度の不備を指摘し、記帳義務の法制化、不公平税制の是正等を提言。与野党議員に強烈な印象を与えた。飯塚毅博士による法改正に関する提言活動は、その後TKC全国政経研究会によって引き継がれ、「コンピュータ会計法」を始め次々に実現されてきた。平成18年5月に施行された会社法、さらに商法本法においても、飯塚毅博士が長年にわたって提言してきた帳簿記載の「適時性・正確性」が法制化されるに至った。

会計史に残る研究業績(正規の簿記の諸原則)

飯塚毅博士による、日独比較税法の研究成果、『正規の簿記の諸原則』が『会計』の連載を経て森山書店から昭和58年に出版された。

「法理的見識から帳簿の証拠価値の問題を徹底的に論じた」この論文に対して、黒澤清博士は「わが国の商法および税法が改正されるにあたって、立法指導的役割を持ちえる文献として参照されるべきもの」と高く評価した。昭和59年5月、日本会計研究学会の太田賞を受賞。さらに昭和63年には「日独法制における『正規の簿記の諸原則』研究」で中央大学から法学博士号を与えられた。

職業会計人の進むべき道を示す

飯塚毅博士は、昭和47年以来、25年にわたって執筆した『TKC会報』巻頭言をはじめ、多くの論文を発表した。その中で、職業会計人のあるべき姿を説き、また国際的潮流の中で、日本の法体系の不備を嘆いては、政治家や行政当局に提言し、警鐘を鳴らし続けた。

その主要な論文は、飯塚毅著作集等に収録されている。さらに禅哲学の実践者として、後進の会計人などのために仏教哲学の真髄を平易にまとめた論文は、単行本『自己探求』(TKC出版)に収録されている。

私財を投じ、租税資料館・育英会設立

平成3年、私財を投じて財団法人租税資料館を設立。平成7年には財団法人飯塚毅育英会を設立した。平成9年に健康上の理由で全国会会長を退任し名誉会長に就任。以後7年にわたって、るな子夫人や家族の献身的な看護を受けて闘病生活を送った。病床にあった平成13年鹿沼市の名誉市民となった。

平成16年11月23日未明、家族の見守る中、租税正義の実現に捧げた、86年の生涯を終えた。12月14日に東京護国寺で行われた、TKC全国会・TKC合同葬儀・告別式には、ドイツから駆けつけたセビガー博士をはじめ、政財界、学界、会計人業界など、2千余人が参列し、飯塚毅博士の遺徳を讃え、別れを惜しんだ。

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