法の前にはみな平等-3

「不正を前にして黙する者は不正の共犯者である」――ラスキー

本誌先生はラスキーのこの言葉が大変、お気に入りのようですが。

稲葉大好きだ。というより私のレーゾン・デートルだよ。君。ラスベガスでとばくをやって大問題を起こして辞めた浜田幸一代議士に対して「勇気ある決断だ」と言ってほめた首相がおるが、ラスキーのこの言葉を聞かせたいよ。まさしく共犯者だよ。そうだろう。私は社団法人「日本の水をきれいにする会」の会長として、全国の河川の浄化運動を永年やっているが、政界最後の大仕事として、「代議士をきれいにする会」をやらんといかんと思っている。だから、まず、政権党である自民党の浄化を願って、「自民党刷新連盟」を同志と相談してつくったんだ。臭いものにフタをすればよいという考え方では駄目だ。議会制民主主義を守るためには、根本的な改革が必要だよ。憂国の士はまだまだいるよ。

飯塚同感だ。ロッキード事件の糾明で先生が正義感を発揮されたから、国民の多くは自民党への信頼を多く集めたが、ＫＤＤ事件や、浜田賭博事件がうやむやでは国民は議会政治に不信を抱き、民主主義体制の破壊につながりますね。

ロッキードだって、丸紅ルートは解明できたし、全日空ルートも解明できた。児玉・小佐野ルートは病気等々で解明できなかったが、意外にラスベガス浜田問題でつながっているかも知れませんね。日米、検察の協力の上で、解明すべきでしょう。

稲葉だから、現実に、党内に悪が横行している。それを前にしてだまって見過す。それが恐ろしい。ラスキーの言う「不正を前にして黙する者は、不正の共犯者である」と言われても弁解の余地なしだ。後世恐るべしということを考えざるを得ない、後世に自分たちが、どういう批判を受けるかわからない。この時期に代議士をやっておるということを悩みますよ。真剣に。

飯塚ああ、稲葉先生は立派だ。感動しますよ。あの私達のパーティーでも先生は同じことを挨拶の中で述べられた。私達は感動して聞きました。私達仲間は本当に稲葉先生を尊敬してますよ。先生こそ、元気で、いつまでも頑張って貰って、政界浄化のために闘って下さらねば。

稲葉いや、飯塚さん。本当に政界を去りたいね、国民の前に深く陳謝して。いつまでも不正の前で、ただ黙って代議士やっていた稲葉修、と後世批判されるかと思うと恐ろしいよ。

本誌政界の大久保彦左衛門だ。

飯塚私達、ＴＫＣ全国会の同志4,500名こそ、先生のような立派な人物をご支援しなくては。国政に後顧の憂いなく活躍して頂くためには、私達がドブ板を踏み、お手伝いせねばと思いますよ。

稲葉いやぁ。あなたのＴＫＣ集団は立派だ。租税正義を旗印に、運命共同体としての団結、見事だ。どんな不況が来ても、ＴＫＣ集団は発展するなあ。そう思うよ。飯塚さんの指導を見ていると、力づけられるよ。民主主義と自由社会がない所に、職業会計人の生きる道はないとの認識の上で、共に手をたずさえて不正と戦おうという、飯塚さんの姿勢には私こそ感動するよ。勇気づけられるよ。俺もまだまだ頑張らねばならんなあ。今、代議士やめて、後進に譲る考えは卑きょうかなぁ。迷うなぁ。

飯塚先生！　先生のような立派な方が、今やめたら日本はどうなると思うんですか。憲法調査会長として重大な仕事が残っているではないですか。

国家、国民にとって一番大事なことは、国が安全保障されていること、外国の侵略を受けないこと。第2は国内の治安のよいこと、産業や教育などの発展向上、そのための法律の整備・改革がまだありますよ。これからが先生の出番ですよ。

稲葉飯塚さん。有難う。勇気づけられた。やろう。あと10年。80歳までやろう。アハハハ……（笑、拍手）

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