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「独立した公正な立場」
の金字塔
国会での意見陳述
TKC全国政経研究会
による提言

法改正への提言〜独立した公正な立場〜

国会での意見陳述-1

飯塚毅博士は、昭和58年から平成6年までの12年間に、のべ11回にわたって、国会の大蔵委員会等に参考人あるいは公述人として招聘されて、意見を求められた。そしてその都度、記帳義務の法制化、不公平税制の解消、脱税犯への罰則強化等の改正提言を行った。

第98回国会 衆議院大蔵委員会(昭和58年5月18日)

第二次臨時行政調査会による内閣総理大臣への最終答申が出された直後の時期であり、国家財政の健全化のための税制のあり方についての意見聴取が行われ、竹下登大蔵大臣以下多数の大蔵官僚が出席、武藤山治議員が、飯塚毅博士への質問を開始した。

傍聴記

武藤議員は、「今日は拝聴するという立場からご指導をいただいて、順次進めたい」と述べ、限られた時間内で会長の意見、主張を一言でも多く出席委員に聞かせたいとの配慮が、理解される形で質疑応答が進められていく。6月2日の読売は、一面に「総収入申告制」を検討――の大見出しに、申告納税制度を大蔵省見直し、所得隠しの是正を図るとの見出しを付して6段組の記事が掲載されていた。総収入申告制は、会長が早くから検討を主張していたものであり、第二臨調第一部会も勧告に至った制度である。投げられた石によって起きた波紋は、光りを受け、きらめきながら私たちの足下に届き始めた。否応なく時代の変化は近づきつつある。院内の食堂で、会長を囲み、静かな乾杯をした。中庭に出て、みんな大きな一仕事を終えたような気持ちで、議事堂を背景に記念写真を撮っていると、小泉純一郎議員が、会長に「ご高説を拝聴させていただきました」と挨拶をしながら通り過ぎていった。緑陰をわたる初夏の風のようにさわやかな後ろ姿であった。(寺田昭男『TKC会報』昭和58年7月号)

第101回国会 衆議院予算委員会公聴会(昭和59年2月24日)

昭和59年度政府予算案に招請され、公述人として意見を述べた。

傍聴記

「これは国会議員及びこれを補佐すべき大蔵官僚が無能である証拠であると考えー」と、剛剣を真っ向から振りおろす会長の姿に肝を冷やしながら、こわごわと議場を眺めたのであった。翌日の新聞の反応はと見れば、サンケイ新聞が4段抜きで「納税制度の是正を、飯塚氏、予算案に反対意見」と載せたほか、日経、読売がポイントを整理した記事を載せている。「初めは飯塚さんをね、生意気な男だと思ったようだよ、若手議員がね。しかし最後には、これは本物だと理解したようだよ」食堂での武藤議員談であるが、願わくば、若手議員のみならず、当選十回の委員長を始め、理事、委員の方々も、正論を正論と聞き、会長の魂の叫びをしっかりと受け止めて、政治の場に反映させ、その改革の期間を可能な限り短縮して欲しいと願うものである。(寺田昭男『TKC会報』59年4月号)

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