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飯塚毅博士と私-3ニューヨークに生き続ける飯塚毅氏の業績
ニューヨーク大学院教授・前ハーバード大学兼任教授・東京大学客員教授
飯塚毅氏はニューヨーク大学との関わりの中で、少なくとも二つの夢を実現された。(1)米国大学院で国際会計学の理論と実践及び御自身が開発された最新ノウハウを、英語で講じること。(2)若き日に訪れた「プラザ合意」で有名なプラザホテルに、縁の人々を招いて宴を催すこと、だった。その盛大なパーティーの後、ホテルの前に何台も横づけになった大型リムジンの一台に学長夫妻や高名な教授陣と共に大騒ぎで乗り込んだ。定員をはるかに超える人数だった。「この珍風景はいいシャッター・チャンスだゾ」などの爆笑と共に、車は光の美しい夜のマンハッタンを疾走した。まるで昨日のことのように思い出す。 飯塚氏の業績は、一会計事務所を全国組織に築きあげた大実業家に留まらない。禅の実体験と信条の英文著書をニューヨーク大学から出版した哲学者でもあることは、あまり知られていないのではないか。会計分野の巨人とは別の顔、人間飯塚毅氏のご懇情を忝うしたことは、私にとっては稀有な幸運と名誉であった。 「TKC飯塚」の名を冠にした研究組織はニューヨーク大学内に健在で今後も存続してゆく。ニューヨーク大学の日米経営経済研究所内には、TKCイベントの写真集を展示するガラスケースもある。ニューヨークを訪れた折には、是非立寄って頂きたい。飯塚氏の志の息づく、全ての日本人にとっても誇るべき場所である。(飯塚毅先生追悼集『自利トハ利他ヲイフ』より。肩書きは2005年7月当時) | |||||||||||||