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命懸けの行・財政改革-7

機械を導入し省力化を進めよ

飯塚一部ね。しかし、社会主義を、まだ所有権の所在の問題としてとらえている。

中曽根大臣が終戦後に発表された思想は、やはり、労使関係というのは矛盾対立の関係ではなくて反対対立なんで、ドイツの経営学でいっているようにミートゲーヘン、つまり「手を取り合っていくんだ」という思想がなければいけない。

とするなれば、やはり、善良誠実なサラリーマン・勤労者を欺きつつというのではなくして、ああ、自民党は勤労者のことを、本気になって考えてくれているんだなあと、そうわからせてくれる線を出すべきだと、そう思うということを言いましたが、その通りじゃないでしょうか。

中曽根「クロヨン」だなんてね、勤労者をいじめたり悲しませてはいけませんよ。そういう政治であってはならないのです。

本誌その勤労者、大多数のサラリーマンたちが課せられた不公平税制を是正しようという1つの方策がグリーン・カード制の導入であろうかと思うのですが、不公平税制、それから行政改革のための1つの方法としてですね、民間企業が積極的に推進している事務の機械化なり省力化、これを官庁はもっと見習うべきではないでしょうか。

飯塚そう、コンピューターを、どんどん導入するべきです。

本誌そうだと思いますね。それと、行財政改革の実効をあげるためには、中央ばかりではダメなんで、地方行政の改革にも、きめこまかい施策がどうしても必要ですね。

中曽根そうです。行財政改革にあたって、一番国民から言われるのは、人間と金の乱費なんですね。地方の場合において、その行政処理の中には中央の責に帰すものが、かなりある。

例えば、学校給食をやりなさいという場合に、厚生省が通達や法律で給食主事を1人つけなさいと決めちゃう。あるいは保育園の場合もそうですが、主事をつくれば補助金をあげますよと、そういうことで人間と金をくっつけてやる。これは、中央官庁の勢力拡充の道具として地方が使われ、そのために人間が多くなるという、そういう面があるんです。

本誌いわゆる地方公務員が、ずいぶんと増えてますねえ。

中曽根ええ。この12年間で、およそ地方の役人が約75万人ばかり増えているんです。その相当の部分が警察官であるとか先生、看護婦さんなんかという、やむを得ない面も、あるにはある。

しかし、概してみると、県は割りあいに良くやってますが、市が良くなくて、町村はやってるとことないとこがある。

中央では約1万人弱減らしてますが、地方の一般行政職は総勢約7万人増えてますからね、まず、人減らしをやってもらう。それには基準をつくって、それに沿って自主的にやってもらうことと、給料が同じですね。

東京の近郊の武蔵野市とか、大阪の東大阪市とかは2〜3割高く、これが10年来、改まっていない。こういう給与、退職金の問題かありますね。

飯塚東京もひどいもんだ。

中曽根ええ、鈴木知事が大英断で改革をやってますが、完了した時点での姿にしても、他の府県からみれば、まだまだダブついていると、そういう状態ですよ。

本誌美濃部前知事のツケが残る、と。

中曽根そうです。ですから、中央官庁と同様に、地方官庁でも人と金減らしをやってもらわねばなりませんが、これからの大きな問題は、機械化という問題ですね。

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