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飯塚毅博士と私

「税制抜本改正」を語る(下)-2
脱税防止こそ切札

「村山調査会中間報告」の見識

飯塚死亡保険金の件は、ご検討下さるとのことですから、これから私の本論に入らせて頂きます。

私の意見・提言は、当『バンガード』誌上での折々の対談あるいは論文、国会あるいは各政党に呼ばれた際の証言や講演で繰り返しておる通りですが、きょうは自民党の正式機関「村山調査会」の座長として税制改革について大きな影響力をお持ちの先生を、ゲストとしてお迎えして、願ってもないチャンスですから、重複を顧みず、あらためてお耳に入れさせて頂きます。

村山ぜひお聞かせ下さい。

飯塚村山調査会の中間報告は、「税制改革を考えるに当たって忘れてはならないポイント」として、(1)必要とされているのは基本税制の見直しである(2)従ってこれまでのような部分的手直しでなく、税制全体を見すえた改革でなければならない(3)全体として整合性のある総合的な改革(4)増減税にとらわれず(5)これからの経済社会にマッチした新しい税制にする。現在より負担が多くなる人が出ることを恐れてひるんではならない――の諸点を強調していますね。

村山その通りです。

飯塚私は、まことに立派な見識だと、敬意をもって拝見しました。

しかし、新聞報道のなかで、「自民党税調の作業に先立って村山調査会がまとめた報告では『増減税の同時同額実施』『大型間接税導入』『マル優制度の廃止』など、税制改革の全体像について明確な思想が打ち出された。党税調の論議も、村山報告を踏まえて進められてはきたが、大勢としては『村山報告は政治論を抜きにした純税制論。現実は別』という空気だった」とあったのが目につきました。

村山自民党税調の中間報告が出たときの新聞の解説ですね。私も読みました。

自民党は百家争鳴がいいところですから、途中ではいろいろな意見が出ます(笑)。私たちはそれを見越した上で、言わねばならぬことを言っているわけです。

飯塚それはよくわかります。しかし、自民党税調の議員先生方すら、「村山報告は純税制論」とするのが大勢、というのでは、「政治家いずこにありや」の感なきを得ません。

それもこれも、村山報告にある「現在より負担がふえる人たちが出ることにひるんではならない」旨の指摘に、それこそひるんでいるのではないですか。

前置きはこれくらいにして……(笑)。

本誌提言の核心を、ずばりどうぞ(笑)。

飯塚私の提言は多岐にわたりますが、核心をずばり言えというなら、法の下の平等―不公平税制の是正―脱税・徴収漏れの防止、ということです。その他は、この中心課題を実現するための提案といえましょう。

そこできょうは、脱税をいかに防止するかに的をしぼって、これだけはぜひ、と思うことを申し上げます。

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