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歴史の大転換に立ち会って-4

内閣の不人気を分析すれば

本誌税制改革の次の政治課題として、竹下内閣は政治改革を強調しており、国民の関心の焦点もそちらに移ろうとしています。これについて。

小渕その前に申し上げておきたいことがあります。

ご承知のように竹下内閣は世論調査に見るように大変厳しい環境にあります。嵐の前面に立たされていると言ってよいでしょう。じゃあ何故そうなったか。それは竹下内閣が懸案を一つ一つ遂行したからなのです。

飯塚そう。皮肉なことですがね。

小渕順を追って申しますと、まずアメリカをはじめとする外国の建設会社の公共事業への参入問題。これは1社、2社が入って来るということに止まらず、日本の建設業界の従来の仕事のやり方、その仕組みにメスが入るという大きな側面を持っています。これが自民党の大きな支持層である建設関係者に大変な不安感を与えました。

飯塚そうですね。

小渕次に牛肉と柑橘類など農産物の輸入自由化問題。米も絡んでいます。この関係者はこれまでわが党の最も安定した支持層でした。この層が「おれたちの首を切るのか」と反旗を翻している。

そして消費税では、中小企業のみなさんが「おれたちの懐に手を突っ込むのか」と。

これら自民党支持層に心から訴え、「国家のため、国際社会のためそうしなければ日本の将来はない」とお願いして来たのですが。

飯塚従来の支持層がいま世論調査や地方の選挙で「竹下内閣ノー」の方に回っている。これは辛いでしょう。

小渕一方、ネット2兆6,000億円もの減税の恩恵を受ける中堅サラリーマンは、給与が通帳払い込みですから、どうも実感がない。従って世論調査でも評価を与えてくれない。もちろん、リクルート問題も大きく響いています。

以上のように分析しているわけですが、その上で、この際は人気にとらわれることなく、ご理解をお願いしながら当面の大切な任務を遂行してゆくほかないと考えます。

竹下内閣に政策面で何か大きな失政があったかどうか。開き直りでなく、反省しながら謙虚に自問しているところでもあります。

本誌長官はテレビでもそう発言しておられましたね。

飯塚巡り合わせということもある。政権担当者としては辛いところですね。首相の「忍の一字」に対し、長官が一方で反問されるお気持ちはよく分かります。

しかし、政治家は「忍の一字」に終始してはならない。自らが襟を正し、断固として改革に着手すべきだと思います。この辺をあいまいにしているから国民の支持が得られないのですよ。

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