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歴史の大転換に立ち会って-7

「内政内閣」が外交面で実績

飯塚竹下改造内閣で留任5閣僚の中に長官が入っていたのは、余人をもって替えがたしということだったでしょうね。

ところで、これまでの内閣の実績を考えますと、最大のものはもちろん消費税の導入・実施等を含む税制改革です。これは内政ですが、私の見るところ、竹下内閣は得意でないといわれた外交面でもなかなかやっていますね。

小渕ご評価に感謝します。じつは私もひそかにそうだなあと(笑)。

飯塚自信をもっていいですよ(笑)。

小渕首相の外国訪問は就任から1年間で9回。中曽根さんが5年間で25回ですから、かなりのハイペースです。

飯塚さっき話が出た外国建設業者の公共事業への参入、牛肉・オレンジ類の自由化など内政がらみの摩擦問題を手堅く処理し、その上で「世界に貢献する日本」を標榜して、着々と手を打っていますね。累積債務国の対応など、日本に金があるから出来ることではありますが。

小渕懸案になっていた摩擦問題にある程度メドをつけたので、外交に前向きに取り組もうとしているわけです。

「世界に貢献する日本」には、3つの柱があります。平和への寄与、開発途上国の援助、それに文化の国際交流で、竹下改造内閣でその肉付けをしているところです。

飯塚相手があることだから、これは「やった、やった」と数え上げない方が奥床しくていい。そんな面がある。でも「徳は孤ならず」ですよ。御大喪に164ヵ国の代表が参列してくれたのは、その端的な現れです。

小渕そういう面はありますね。

本誌蔵相・中央銀行総裁が集まるG5ないしG7で、アメリカと並んで重きをなしている。これも日本が相当の貢献、分担を行っているからでしょう。海外援助の額ではアメリカを抜きましたね。

消費税による増収の使い道として、もっぱら高齢化社会への対策、国債の償還が上げられていますが、国際社会への貢献の財源にもなることを堂々と掲げていいと思うのです。率直に説明すれば国民は納得しますよ。

「ふるさと創生」は理想の国づくり

本誌内政の目玉といわれる「ふるさと創生」についてお願いします。田中内閣の「列島改造」以来、物の面に偏った開発から軌道修正したタイムリーな政策という評価がある一方、「内容がはっきりしない」という声もあります。

小渕これは、単に地方をどうするという次元でなく、理想的な国家をどうつくるかの問題です。

日本は世界一の援助国になりましたが、国民が稼いだ富が十分還元されているとはいえないですね。

言葉を変えると、国民が日本の経済にふさわしいライフ・スタイルを得られるように、生活の質を引き上げようということです。そのために週休2日制の定着やリゾートの開発など、やるべき環境整備はいろいろありますが、最終的には各地域での創意工夫をお願いしなければならない。その呼び水として各自治体への1億円交付を予算に盛り込んでいるわけです。

飯塚あれは面白いアイデアです。一部の先進的なところだけでなく、全自治体に創意工夫のきっかけを与えた。その効果はすでにあったのではないですか。

ともかく、「ふるさと創生」はこれからですね。

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