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「文化摩擦」回避の道-11

制度の違いは数知れず

佐藤私はもともとは理論経済学専攻ですが、日米経営比較論も教えていましてね。教室で「アメリカは日本から何を輸入し、何を輸出すべきか」といったテーマでディスカッションをさせたのです。すると学生が、

「日本へ大統領制を輸出せよ。そうすれば竹下氏が支持率19%で首相、というようなことはなくなる。一方、アメリカは芸者を輸入せよ」

半数を占める女子学生が、

「ノー、ノー、ノー」

芸者を輸入すると競争激化でアメリカの女性のサービスがよくなると男子学生は言うのですが(笑)。

飯塚ハッハッハ。

佐藤さらに脱線して、

「先生、芸者というインスティチューション(制度)はどのようなものですか」

「芸者というのはアーティストという意味で、君たちが思っているようなプロスティチュートじゃない」

といった問答があった後、宇野さんのスキャンダルがありました。その学生が、

「先生は嘘をついた。やはりプロスティチュートじゃないですか」

これを説明するのは難しい(笑)。

飯塚ハッハッハ。たしかに難しい。

佐藤冗談のような話で恐縮でしたが、このようにお互いの「制度」の違いは日米の間だけでもゴロゴロありますからね。

飯塚説得力十分なお話でした(笑)。摩擦の種はどこにあるか分かりませんね。だから、摩擦は必然と覚悟した上で、お互いの違いを理解してかいくぐり、かいくぐり……。

佐藤根底には価値観の違いがありますから厄介ですが、努力する他ない。

飯塚先生のような方が期待されるゆえんでもあります。

益々のご活躍をお祈りします。

佐藤有り難うございます。

(編集主幹・木場康治)
(VANGUARD 1990年2月号より転載)

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